プレミアグループのキャッシュフローと財務に潜むリスクについて

小型成長株を取り扱っている投資家が大好きなプレミアグループについて、思っている事を述べようと思います。

プレミアグループは、主に中古車販売の際のローンの仲介と故障時の補償を行っている会社です。同社は、ローン提携時に購入者から一括してローン仲介手数料(保証料)をもらい負債に計上します。また、故障に関する保険について、保険料を契約時に一括して得て、負債に計上されます。ともに、ローンの貸し倒れや車の故障がなければ、時の経過とともに負債から収益に振り替えられます。このため、PLに計上されている収益は数年前に同社が獲得した資金を一部計上しているだけであって、現在の資金獲得額ではありません。

何が言いたいのかというと、同社は収益がストックされているから将来の業績は安定的ですよ的な事がIR資料等に記載されていますが、たしかに業績(PL)は安定的かもしれませんが、キャッシュフロー(CF)はどうなるかわかりません。仮に新規の取引が激減した場合、PLは好調でもCFが絶不調になる可能性があります。

こうなったとき、減配の可能性もかなり高くなります。

同社の決算資料を見る際は、他の会社よりKPIがかなり重要だと思います。ここが停滞した場合、売りを考えないといけないかもしれません。一方で利益率も重要です。利益率が低下すると、やはりCFも悪化します。

今のところ、どちらも好調なので大丈夫だと思いますが。。。PLの収益の成長率だけ見て安心していると火傷する可能性があります。BS上の現預金も先日紹介した日本SHLのようにため込んでいるわけではありません。

このように同社はCFにリスクがあり、同社が言っているように低リスクの財務構造ではないように思えます。

市場シェアが高まり成長余力がなくなってきた時、新規事業が育っていないと、上記問題が顕在化してくるかもしれないので、IR資料はよく見ていこうと思います。