IBM巨象も踊るについて3

ちょっと間が空きましたが、表題の件の本を読んで非常に共感した部分があるので、紹介します。

企業文化についてですが、以下のようにルイス・ガースナーは述べています。

文章①

IBMでの約十年間に、わたしは企業文化が経営のひとつの側面などではないことを理解するようになった。ひとつの側面でなく、経営そのものなのだ。組織の価値は要するに、それを構成する人びとが全体として、どこまでの価値を生み出せるかで決まる。

・・・中略・・・

どんな分野の組織であろうと、これらの正しさがDNAの一部になっていなければ、長期にわたって成功を続けることはできない。

 文章②

成功している組織はほぼすべて、その組織の偉大さをもたらす要因を強化する文化を確立している。この文化は、それが形成されたときの環境を反映している。環境が変わったとき文化をかえるのはきわめてむずかしい。そして、文化が組織の適応能力を制約するきわめて大きな障害になる。

 文章①ですが、逆にとらえると、長期にわたり株主価値を創出している企業については、今後も長期にわたり株主価値を創出しつづけるであろうと予測ができます。

しかし、文章②で釘が刺されています。つまり、環境が変化しなければ文章①の状態は続くと。。

ここで私の考えですが、環境の変化が多い業界は変化への対応も企業文化の一部に組み込まれているというか企業文化に柔軟性が高いと考えられます。しかし変化を頻繁に行う必要がある点でリスクが高いと思います。一方で環境の変化が少ない業界は企業文化を変化させる機会は少ないが、仮に変化があった際、対応が遅れる可能性がある。

しかし、どちらのタイプであったとしても、大企業であれば、財務的余裕や顧客基盤、ブランド力等で規模の小さいまたは新興企業より時間が稼げ、また見えない資産を保有し、企業文化を含む立て直しができやすいのではないかと考えてしまいます。実際、最近だとマイクロソフトやアドビ、結構前ですがジョブズ復活前のアップルは見事に復活を果たしています。となると、今のIBMは買い場でないかとも思えてきます。しかし、復活する確信もないため、結局、投機になるのだと思います。

結局はわからないので、VTIなどのETFか高配当・成長株が一番のような気がするという結論に戻ってきます。